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ボリショイバレエ 新作 「Lost Illusions」 (4月27日)

ラトマンスキーの新作で4月24日にワールドプレミアが行われた作品 「Lost Illusions」(3幕)を観てきました。
私が観たのは3日目です。 
不覚にもカメラを忘れてしまい、ブログ読者のPhilippeさんに分けて頂きました。 どうもありがとう。
写真は、主役のメルクリエフとカプツォーワです。

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                                                             photo by Philippe

<この日の主なキャスト>

ルシヤン (若手の作曲家)          アンドレイ・メルクリエフ
コラーリ (パリオペのバレリーナ)      ニーナ・カプツォーワ

フロリーナ (パリオペのバレリーナ)     アナスタシア・メシコーワ
若いダンサー                   アルチョム・オフチャレンコ
カミュージョ (コラーリのパトロン)      イーゴリ・シマチョフ
デューク (フロリーナのパトロン)      アレクサンドル・ファジェーチェフ
ベレニース (コラーリのお手伝いさん)   アンナ・アントロポーワ

お話の舞台は1930年代のパリ。 
駆け出しの作曲家ルシヤンが、パリオペに自分の作曲した曲を売り込みに行く所からお話は始まります。
コラーリに気に入られ、パリオペの人達に認められ劇場で働き始めたルシヤンが手掛けたバレエ公演
「シルフィーダ」は主役のコラーリの好演もあり大成功をおさめます。
それをきっかけに恋に落ちる、ルシヤンとコラーリ。 コラーリはパトロンのカミュージョを捨てて、彼との
愛を貫こうとします。 
コラーリの成功が気に食わない、もう一人のバレリーナのフロリーナは自分のパトロンと結託し、ルシヤンを
お金でたぶらかし、自分の舞台の為に作曲させます。 お金に惑わされ、どんどんコラーリと疎遠になる
ルシヤン。 彼の変容に悲しみ落ち込むコラーリ。 一方、フロリーナの舞台は大成功をおさめ、お役御免と
なったルシアンは、フロリーナと彼女のパトロンに馬鹿にされ捨てられます。
やっと自分におろかさに気付いたルシヤンは、コラーリのことを思い出し、嘆きます。
憔悴しきったコラーリは、ルシヤンを愛しながらも戻ってこない彼をあきらめ、パトロンのもとに戻ります。
やっと愛に気付いたルシヤンは、コラーリのアパートに行きますが、もうすでに彼女は引っ越したあと。
失ってからその大切さに気付いたルシヤンの嘆く姿で舞台は終わります。

メルクリエフとカプツォーワが最高でした。 二人の演技力に圧倒されるばかり。
繊細で優しく情熱的なデュエットでは恋に落ちつつある二人の状態が見事に表現され、
自分の愚かに気付き、愛するコラーリを失ったと気づいた時のメルクリエフのソロは彼の悲しみ・苦しみが
伝わってきて心が締め付けられる感じがしました。

フロリーナはとことん悪女であり、メシコーワが好演してました。
一幕の劇中劇「シルフィーダ」のシーンで、オフチャレンコとメルクリエフが一緒に踊るのですが、二人とも
踊りに切れがあり、見ごたえありました。 オフチャレンコは好きなタイプのダンサーではないのですが
(ちょっとサル顔だし)、この役はよかったです。

音楽・歌・踊り、とにかく全てが素晴らしかった。

幕が閉まってからも、「アンドレイ!」と叫ぶ人もいて、カーテンコールは3回続きました。
by asha_moskva | 2011-04-29 05:40 | 劇場 | Trackback | Comments(0)

パリほどお洒落じゃなく、NYほどエネルギーに満ちてないけど、なんか味がある街モスクワをご紹介します。


by asha_moskva